「阿吽」とは
「阿吽」とは、「吐く息と吸う息」という意味があります。
吐く息と吸う息などの二つの相対するもの、対比するものとしての意味を持ちますが、下述する「阿吽の呼吸」という形で使われることはほとんどです。
「阿吽の呼吸」は、「二人以上で一緒に一つの事を行う際に、気持ちが一致する絶妙なタイミング」のことです。
- 阿吽の呼吸でベテラン職人たちはお餅を作っていく。
- つきあいが長いと阿吽の呼吸で伝わる。
- 彼らの仕事ぶりはお互い連携が取れていて、阿吽の呼吸だ。
- 相撲の仕切りで、二人の力士の呼吸がお互いあうことを「阿吽の呼吸」という。
などのように使われます。
「阿吽」は、梵語(古代インドの文語であるサンスクリット語)の「a(ア)」と「hum(フーン)」とを漢字で音訳したものです。
「阿吽」の類義語は、「呼吸」「息」「息吹」「息の根」「息づかい」などがあり、「阿吽の呼吸」の類義語としては、「以心伝心」「息ぴったり」などがあります。
なお「阿吽」は「密教で宇宙の初めと究極、万物の根元と宇宙が最終的に具現する知徳」という意味があります。
他にも「寺院の山門の左右にある仁王や狛犬の相」という意味もあります。
「阿吽」の使い方




「阿吽」の例文
- ・・・。と、つぎの瞬間、もう別の兵が反対側のキャタピラに地雷を挿入していたのだ。私は阿吽の呼吸を、そこに見る思いがした。 ブオーッと大地は震撼したが、それでも止まらない・・・上村 喜代治(著) 「インパールの挽歌」
- ・・・愛する金の卵を産む鶏―藤木安菜の存在を話し、英一の対象にすることを仄めかした。阿吽の呼吸で源治は、自分の意図を読み取った。 共和共生―源治は英一の弱味を押さえるこ・・・新堂 冬樹(著) 「溝鼠」
- ・・・う質問に対し、石原社長は「役員会の総意で決めた。誰が言い出したということもなく、阿吽の呼吸というものもありましょうし」と終始、言葉を濁した。「引責辞任ではないのか」・・・山田 雄一郎(著) 「金融ビジネス」
- ・・・たような文化を共有してきた民族です。 こうした民族の間では、コミュニケーションが阿吽の呼吸によって充分に成り立ちます。しかし、他民族が入り乱れる大陸国家の多くや、世・・・賀川 洋(著) 「外国人との仕事に悩んだ時読む本」
「阿吽の呼吸」で仕事をするとは?

「阿吽の呼吸」は、上述のように「二人以上で一緒に一つの事を行う際に、気持ちが一致する絶妙なタイミング」という意味です。
そして、「阿吽の呼吸で仕事をする」とは、仕事の場面において、お互いが何を必要としているか、何をしようとしているか、言葉でコミュニケーションを取らなくても分かり会えた状態で、仕事がスムーズに進んでいくことです。
例えば熟練した職人などは、お互いの仕事のやり方や、自身の仕事についてよく理解しており、「阿吽の呼吸で仕事をする」というのに、当てはまるかもしれません。
ただ「阿吽の呼吸」を過信して、「多くを語らなくてもきっとわかっているだろう」と考え、仕事をしていると失敗することもあります。
仕事の内容によっては、「阿吽の呼吸」でも大丈夫か、言葉のコミュニケーションをとっておいた方がよいかなどの判断は必要になります。
参考文献
- 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
- 編 山田忠雄・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2011)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 編著 北原保雄 (2010)『明鏡国語辞典』第二版, 大修館書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年11月12日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年11月12日).