「数多」の意味・使い方・例文!「幾多」「多数」との違いは?(類義語・対義語)

「数多」の意味・使い方・例文

「数多」とは

数多」とは、「あまた」と読み、「数が多い様子・たくさん・多数」という意味があり、数量が多いことを表します。

ただ、いくつと実際に数字で表せないようなもので、多いと感じられるものについて「数多」は使われます。

また、「程度が甚だしい(普通の状態をはるかにこえている)」、「たいへん・非常に」のように物事の様子を表す場合にも使います。

  • 彼は引く手数多のエンジニアである。
  • ここは数多の候補者がひしめき合う激戦区だ。
  • 私はこの学校で数多の経験をして、多くのことを学びました。
  • 彼女は数多のコンクールで優勝している。

 

などのように使われます。

数多」の「数」は、「かずをかぞえる」や「いくつか」「いくらか」など数の多さを表す意味で使われたり、「しばしば」「たびたび」などのように頻度を表すときにも使われます。

「多」は「たくさん」「おおい」という意味を持ち、「夕」の字を二つ重ねて、日数が積り重なる意味から「おおい」という意味になったという説があります。

数多」は、「たくさん」を表す古風な表現であり、古くは「いくつか」という意味でも「数多」は使われましたが、平安時代以降に「数が多い」という意味で使われるようになりました。

数多」の類義語には「いっぱい」「多い」「夥しい(おびただしい)」「うんと」「ごまんと」「許多(きょた)」のように数の多さを表す意味の言葉があります。

反対に対義語は数の少なさを表す「少し」「僅か(わずか)」などがあります。

「数多」の使い方

フクえもん
きれいな星空だねー。この前読んだのだけど、観測された星の数って18億個以上なんだって! 
そう太
そんなに見つかっているんだ!それにしても星の数って多いねー。
フクえもん
でも宇宙にある星の数は全部で1000兆個ともいわれているんだよ。
そう太
ひえー、そんなに数多あるんだー!僕も新しい星をみつけて、「そう太星」と名付けるんだ♪

「数多」の例文

  • ・・・とクビにしやがれい」 そんなこととは露知らぬスロッピーは折しも、窓から見える所で数多のボタンを風に当てていた。ボフィン氏はしばし呆然自失の態であったが、窓を開けると・・・チャールズ・ディケンズ(著) 「互いの友」
  • ・・・学んだのですが―皇太子について分かっているのは、つまりここまでです。」 さらなる数多の陳列ケースの一つの中に、ふたたび大佐の考え方を借りていうならば、帝国を終焉へと・・・ゲルハルト・ロート(著) 「ウィーンの内部への旅」
  • ・・・圧を受くるにいたりしことは、元より私の不徳のいたすところであるが、また一方他にも数多の重大なる理由がある。私の不徳にも種々あるであろうが、私が自覚しありしことは、私・・・真崎 甚三郎(著) 「「文芸春秋」にみる昭和史」
  • ・・・を点滅させていて、さらにノート型の液晶画面も明るくなっており、そのあたりいちめん数多のコードが這いずり回り絡み合っている。 伊関はサンダルを脱ぎ、まだ頭の後ろをさす・・・松浦 寿輝(著) 「花腐し」

「数多」「幾多」「多数」の違いは?

「数多」「幾多」「多数」の違いとは

数多」「幾多」「多数」のそれぞれの違いを見ていきましょう。

数多」は上述のように「たくさん・いっぱい」など、数が多いさまを表したり、「たいへん・非常に」程度が甚だしい(普通の状態をはるかにこえている)」など物の様子を表すときに使う言葉です。

数多」と同じ意味を持つのが、「幾多」で、「いくた」と読みます。

幾多」も数が多い様子・たくさん・多数」という意味があり、実際に数字で表せないようなもので、数が多いと感じられるものについて使われます。

ただ幾多には、数が多い意味はありますが、「たいへん」「非常に」程度が甚だしい(普通の状態をはるかにこえている)」などの意味はありません。

こちらの二つの言葉は、主に文語表現(文章を書くときに使われる、日常の話し言葉とは違った独自の言葉)で使われることが多いです。

幾多」の例

  • ・・・とは言えないもののその努力を積み重ねてきました。その努力が生活ケアの実践を生み、幾多の成果をもたらしてきていることは関係者の間では周知のことです。しかし、先に述べた・・・永和 良之助(著) 「私たちが考える老人ホーム」
  • ・・・てきた。 思えば八幡信仰の源流には、原始の自然崇拝から仏教・道教・シャマニズムと幾多の変遷の融合を続けながら二〇〇〇年の歴史を続けてきたが、今その仏教は彦山神宮にも・・・中野 幡能(著) 「宇佐宮」
  • ・・・あろう。ヴェーダからウパニシャッドの哲学が生まれ、それから自由思想家とよばれる幾多の思想家が続いて出てきたのであるが、仏教の開祖仏陀はこの自由思想家の一人であり、・・・桐山 靖雄(著) 「守護霊を持て」

 

多数」は「人や物が多いこと」「他方より多いこと」という意味と「大部分」「大半」という割合が多いときに使います。

類義語には「大勢」「大人数(だいにんずう)」があり、対義語は「少数」です。

多数決」という言葉もあり、賛成者が最も多い意見や提案をそのグループとしての意見とする決め方を表します。

多数」は「数多」「幾多」と比較して、数量を強調するニュアンスが強く、「たくさん」を指しています。

多数」の例

  • ・・・調査によれば、(カタルーニャ語を話す人びとも、カスティーリャ語を話す人びとも)大多数の市民は自然に受け入れるか、静観している。児童教育初期に「カタルーニャ語漬け」が・・・戸門 一衛(著) 「ヨーロッパ統合と文化・民族問題」
  • ・・・れで説明される.すなわち1つの原子の内部での電子の定常的な軌道運動と同じように,多数のHe粒子や電子(↑↓の対になったもの)がわれわれの身体よりも大きいパイプやコイ・・・青木 亮三(著) 「わかりやすい量子力学」
  • ・・・また,われわれの経験では,実験結果の質に個人差が非常に大きいといった問題がある.多数のサンプルにおける万単位の遺伝子発現情報から,有意義なデータを抽出するのが発現情・・・中村 祐輔(著) (ゲノム医学からゲノム医療へ」

 

数多」「幾多」「多数」の違いまとめ

  • 数多」「幾多」は「数が多い様子・たくさん・多数」という意味があり、実際に数字で表せないようなもので、数が多いと感じられるものについて使われる同義語。
  • 数多」「幾多」は文語表現で主に使われる。
  • 数多」には「たいへん・非常に」程度が甚だしい」など物の様子を表すときの意味があるが「幾多」にはない。
  • 多数」は「人や物が多いこと」という意味があり、「数多」「幾多」と似ているが、「数多」「幾多」より数量を強調するニュアンスが強い。また「他方より多いこと」という比較の意味と「大部分」「大半」という割合が多いときに使われる。

参考文献

  • 編 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
  • 監 林 四郎 編 篠崎 晃一 ・相澤 正夫・大島 資生(2021)『例解新国語辞典』第十版, 三省堂.
  • 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年11月22日).
  • 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年11月22日).
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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