「安直」の意味・使い方・例文!「安直な発想・安直な考え 」とは?(類義語・対義語)

「安直」の意味・使い方・例文!

「安直」とは?意味・読み方や類義語・対義語は?

安直」は、「あんちょく」と読み、「簡単でいい加減なさま」を意味し、「手抜きをする」という批判的なニュアンスを含んで使われることが多い言葉です。

他にも、「価格が安いこと」の意味も持っていますが、こちらも「安かろう悪かろう」といったニュアンスを含む場合があります。

  • 有名だからという安直な理由で就職先を選んでしまった。
  • 「いいよ」 とこっちも安直に引き受けてしまった。
  • 最も庶民的で、最も安直な食べ物は丼物かもしれない。
  • 彼の到着する日がはっきりわかっているならば、安直な宿を探すことはできる。

 

などのように使われます。

安直」の「安」という字には「たやすい、容易である」といった意味があり、「直」には、「ただちに、じかに」の意味があるので、「安直」は、「思慮や手間をはぶいて簡単にすませること」を指します。

「簡単で手軽なさま」という意味もありますが、良い意味ではあまり使われず、十分に考えたり真剣に考えたりしない、手抜きずさんな手軽さといった、ネガティブな意味合いを含んで用いられることが多い言葉です。

例えば、「安直な発言だ」や「安直な判断だ」などは批判的な意味合いが伝わります。

安直」の類義語には、「安易」「いい加減」「気軽」などがあります。

安直」の対義語には、「実直」「慎重」「丁寧」などがあります。

また、「安直」の「安」という字には「値段が安い」といった意味があり、「直」には「値(あたい)」の意味もあるため、合わせた「安直」には、「値段が安い」という意味もあります。

例えば、「安直な商品」など、「値段」という言葉を使わずに安さを表現できますが、こちらも安かろう悪かろうと言ったダメ出し的なニュアンスがあります。

値段が安い」意味の「安直」の類義語には、「格安」「安価」「廉価」などがあり、対義語には、「高価」「割高」「高値」などがあります。

ただし「安直」は、「いい加減である」という意味で使われることが多く、「値段が安い」という意味で使われることは少なくなっているようです。

「安直」の使い方

そう太
ボクの発明は安直な発想で面白みに欠けると言われちゃった。
フクえもん
いやいや、ウォークマン、回転すし、カラオケ、レトルト、すべて単純な発想から生まれたんだから、可能性はあるはずだよ。
そう太
そおぉ。じゃぁ、ボクも発明王になれるかな? 寒い夜にあたたかい布団が欲しくて考えたんだ、実はこれなんだけど…
フクえもん
フクロウの羽毛を集める掃除機だと?! 安直安直安直すぎる‼ この高級羽毛を…いや、もうまったくもって却下却下‼

「安直」の例文

  • ・・・った。 『お前はなにを表していると思う?』 『双子座でオレたちか…。貴様にしては安直な連想だな』 問いには答えずに、サタンは憎まれ口をたたく。 『私もそう思う』 ・・・山本 剛(著)「新・魔導物語」
  • ・・・ある。落雲館の教師ではないが、やはり教師に相違ない。からかうには至極適当で、至極安直で、至極無事な男である。落雲館の生徒は少年である。からかう事は自己の鼻を高くする・・・夏目 漱石(著)「吾輩は猫である」
  • ・・・止にするわけにはいかなかったのだろう。 夕食はたまたまホテルにあった日本料理屋で安直に済ませ、私は部屋に戻ってここ数日のノートを作ることにした。 テレビは相変わらず・・・沢木 耕太郎(著)「オン・ザ・ボーダー」
  • ・・・都市計画に真っ向から対峙した。市区調査会の都市計画は人口増加を解消するためだけの安直な考えで、いたずらにただ面積を拡大するのは、不便と不潔を拡大するだけであるときび・・・関井 光男(著)「江戸・東京を造った人々」

「安直な発想・安直な考え」とは?

「安直な発想・安直な考え」とは?

安直」を用いた表現に「安直な発想(はっそう)、安直な考え」があります。

安直」は「いい加減なこと」ですから安直な発想安直な考え」は、単純な思いつき浅はかな考えを示す言葉であり、深く考えずに簡単で手軽な方法や結論に飛びつくことを指します。

実際にその内容も、問題の本質や背景などに考えが及ばず、表面的な手立てにとどまっていることが多いです。

その結果、短期的にはうまくいくことがあるかもしれませんが、長期的には問題を悪化させたり、新たな問題を生じさせるリスクがあります。

ですから、安直な発想安直な考え」は短絡的なアイデアや軽率な思考、考えた割にはだれもが思いつきそうな内容であることを批判的に指摘する場合に使われることが多いです。

ただし、思いつきの考えやシンプルな考えも安直な発想という表現を使いますから、アイデアや思考を練る最初の段階にはこのような発想も役に立つことがあります。

参考文献

  • 編 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
  • 監 林 四郎 編 篠崎 晃一 ・相澤 正夫・大島 資生(2021)『例解新国語辞典』第十版, 三省堂.
  • 編 柴田武・山田進 (2002)『類語大辞典』講談社.
  • 編 藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光 (2011)『漢字源』改訂第五版, 学研.
  • 著 鎌田正・米山寅太郎(2013)『新漢語林』第二版, 大修館.
  • 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年11月29日).
  • 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年11月29日).
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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