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「安寧」とは?意味・読み方や類義語・対義語は?

「安寧」の意味・読み方!天皇の名前にも使われた「安寧」
「安寧」は「あんねい」と読み、「世の中が安定していて、(社会が)落ち着いている状態」のことを意味する言葉です。
- 信仰は、人の心に安寧をもたらすのだろう。
- みなで年の初めに世界の安寧を祈願した。
- 自警団は、この町の安寧秩序を守ってくれている。
- いつも願うのは、無病息災と家族の安寧だ。
などのように使われます。
「安寧」の「安」「寧」はそれぞれ共通して「安らぎ」「落ち着き」「穏やか」といった意味を持ち、同じ意味を持つ漢字が重なることで、「安らぎ」「落ち着き」「穏やか」という意味を強調する構成となっています。
「安寧」は、この言葉だけで、社会が平穏無事な様子を示すものですが、「安寧に過ごす」や「安寧に暮らす」などは「人々が心穏やかに静かな社会の中で時を過ごしていく」という意味になります。
つまり、「安寧」は社会が平穏無事であってこそ個々の安らぎがあるという考えになります。
なお「安寧」は第三代の天皇の諡号(しごう:死後に贈られる称号)として贈られています。
安寧天皇の実在は歴史上不明ですが、昔から、人々の願いは「安寧」な社会だったのだと思われます。
現在は、「安寧」という言葉は、日常会話として使われる頻度は低く、皇室や一国の首長が、「社会の安寧を願っています」「我が国と世界の人々の安寧と幸せ、そして平和を祈ります。」という様に使うことが多いです。
「安寧」の類義語・対義語
「安寧」の類義語には、「安泰」「平穏」「平静」などがあります。
「安寧」の対義語・反対語には、「混沌」「不穏」「波乱」などがあります。
「安寧」の使い方




「安寧」の例文
- ・・・言うことにゃ、いちいちつきあっておれんわい。あんたみたいに自分の生活の小市民的な安寧ばかり気にかけているようでは、ちょっとお話にならないのではないかな、と思ってしま
- ・・・し禁じなければ、二百七十年もつづいた江戸体制という精密な封建制と、封建性のなかの安寧は、もっと早い時期に崩壊していたにちがいない。 日本の場合、儒教は薄くしか社会を
- ・・・殉ずるばかりがあなたの役割ではありません。この戦乱を終わらせ、みなが家族とともに安寧に暮らせる世をつくりたい。若造の夢の実現に手をかしてくださいませんか。その経験を・・・小前 亮(著)「李世民」
- ・・・きた。違いますか」 そう、つまるところはそういうことだ。 よろずよの昔より、国の安寧を唱えるのは常にみずからを中央と呼ぶ為政者たちであった。 「だが鬼の逃亡を幇助す・・・霜島 ケイ(著)「炎華の断章」
「心の安寧」とは?

「心の安寧」は、世の中が無事で安らかなことを表す「安寧」が、気持ちを表す「心」に組み合わされた言葉で、「気持ちが穏やかで安定していること、心が乱れておらず安らかであること」を意味します。
「安寧」という言葉は元々、「世の中が安定していて、(社会が)落ち着いている状態」を意味する言葉であり、個人的な穏やかさなどを表現する言葉ではありませんが、「心の安寧」は、個人の心理状態を指します。
「心の安寧」は、喜怒哀楽による大きな感情の乱れがなく、心が落ち着いていて安定していることを表しているので、悲しみ、怒り、絶望などネガティブな感情だけでなく、喜びや嬉しさなどポジティブな感情でも心が大きく動かない状態です。
なお、心がゆったりと安らいでいる状態、あるいは安定していて穏やかな状態の時に、「心の安寧」という言葉を使いますが、無感情とは違います。
喜怒哀楽をきちんと理解し心でしっかりと反応した上で、大きく心を乱さない成熟した精神を表す言葉です。
ですが、人の心はちょっとしたきっかけでも乱れやすく「心の安寧」を保ち続けるのは簡単ではないため、精神的な平穏を求める場面でこそ、この語を用います。
例えば、「心の安寧がなければ、いくらお金があっても幸福とは言えない」、「瞑想によって心の安寧を得ることができる」などと使います。
「安寧を祈る・安寧を願う」とは?

「安寧」は、一般的な会話で用いられるよりも国や人々の平和・平穏を祈願するときに使われることが多く、「安寧を祈る・安寧を願う」などと使われます。
「安寧を祈る・安寧を願う」は、「世の中が安定していて、穏やかで平和であることを祈る」という思いを込めて使われます。
なお、現在は「安寧を祈る・安寧を願う」を耳にする機会が多いように感じます。
皇室行事や各国元首が、「世界の平和、国の安寧と人々の幸せを願う」などと発する場面が多いということは、現実の世の中が「安寧」とは言い難い状況だから、なのかもしれません。
参考文献
- 編 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 監 林 四郎 編 篠崎 晃一 ・相澤 正夫・大島 資生(2021)『例解新国語辞典』第十版, 三省堂.
- 編 柴田武・山田進 (2002)『類語大辞典』講談社.
- 編 藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光 (2011)『漢字源』改訂第五版, 学研.
- 著 鎌田正・米山寅太郎(2013)『新漢語林』第二版, 大修館.
- 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年12月3日).
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年12月3日).