「哀切」とは
「哀切(あいせつ)」とは、「とても哀れで物悲しいことや切ない様子」を意味する言葉です。
「哀切」は名詞や形容動詞として主に使い、「哀切さ」という使い方もできます。
- 舞台の哀切な場面にこの楽器が使用されることがある。
- 物語の中で最も哀切な場面として描かれていた。
- 現在盛んに上演される、美しくも哀切な作品である。
- 彼女の声に、哀切さを感じた。
などのように使われます。
「哀切」の「哀」の字は「あわれ、悲しむ」を意味し、「切」の字は、「さし迫る。身に迫って感じる。」を意味しますので、「哀切」は「とても哀れで物悲しい様子や切ない様子」を表します。
「哀切」の類義語として、「哀感(あいかん)」「哀愁(あいしゅう)」「哀情」「哀調」などがあります。
「哀切」の使い方

この映画のメロディーって、聞くだけでなんだか涙が出てきそうだよ。

哀切な場面を思い出しちゃうんだろうね。

うん!一番印象に残った場面だからね。

心に残る映画って音楽も一緒に覚えているよね。
「哀切」の例文
- ・・・小さく、顎が左右に振られた。 何という哀切な表情であったろうか。ここまで、哀切な表情を、人は浮かべることができるのか。 声にならない。・・・夢枕 獏(著)「キマイラ」
- ・・・りと思うにもいとど難波のうらはすみうきと述懐する翁。その男の孤愁の思いがいかにも哀切である。老夫婦の情愛が静かに伝わってくる曲であるのだが,それを谷崎潤一郎が『蘆刈・・・山折 哲雄(著)/ 河内 厚郎(著)「「和文化の風」を学校に」
- ・・・頰がゆっくり朱色に染まり、瞳に炎が立った。薄く開いた唇に、こらえている少女の哀切さが漂った。勇は急に胸がいっぱいになってしまい、坐っていることができなくなって外・・・高橋 三千綱(著)「九月の空」
- ・・・吉蔵とおちかは夢中になってお互いを貪り合った。おちかの声が哀切にひびき、吉蔵が全身を痙攣させた。 二人がからだを起こし、おちかは身づくろいをし・・・南條 範夫(著)「江戸恋い明け烏」
「哀切極まりない」とは
「哀切極まりない」とは、「あいせつきわまりない」と読み、「胸が締め付けられるほど非常に哀れでもの悲しい」という意味を表します。
「哀切」は「非常に哀れでもの悲しいこと」で、「極まりない」は「この上なく・甚だしい」という意味があるため、「哀切極まりない」は「この上なく非常に哀れでもの悲しいこと」すなわち「胸が締め付けられるほど非常に哀れでもの悲しい」という意味になります。
「哀切極まりない」は「哀切」が「非常に哀れでもの悲しいこと」という意味を表しますが、哀れで物悲しい程度がさらにそれよりも強い時に使われる言葉です。
「彼女が失恋して憔悴している様子を見ていると哀切極まりなくなる」などのように使われます。
参考文献
- 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
- 編 山田忠雄・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2011)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 編著 北原保雄 (2010)『明鏡国語辞典』第二版, 大修館書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年9月26日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年9月26日).