「哀哭」とは
「哀哭(あいこく)」とは、「声をあげて泣き悲しむこと」を意味する言葉です。
この言葉は、ただ涙を流すだけでなく、大切な人を失ったときなど、深い悲しみや喪失感を表現する場面で用いられます。
- 友人の葬儀で哀哭し、涙が止まらなかった
- 戦争の悲惨さを目の当たりにした彼は、哀哭の声をあげた
- 哀哭の中で、彼女は亡き母の思い出を語り続けた
- 哀哭する彼の姿を見て、周囲の人々も涙を流した
などのように使われます。
「哀」は「あわれむ」「かなしむ」という意味を持ち、「哭」は「なく」「大声でなく」という意味を持ちます。
これらの意味を組み合わせた「哀哭」には、「悲しみの余り声をあげて泣き叫ぶ」という意味が込められています。
「哀哭」の類義語には、「慟哭(どうこく)」「号泣(ごうきゅう)」などがあります。
「哀哭」の使い方

昨日のニュース、見た?

うん、哀哭してる人がたくさん映し出されていたね。

ぼくも本当に悲しくて、涙が止まらなかったよ。

もう二度とあんな凄惨な事件は起きてほしくないね。
「哀哭」の例文
- ・・・多恨の詩人肌から亡朝の末路に薤露の悲歌を手向けたろうが、ツァールの悲惨な運命を哀哭するには余りに深くロマーノフの罪悪史を知り過ぎていた。が、同時に入露以前から二、・・・内田魯庵(著)「二葉亭追録」
- ・・・月は光を放たず、地に満つ人の死骸のまわりに、それをついばむ鷲が集るの、人はそのとき哀哭、切歯することがあろうだの、実に、とんでも無い暴言を口から出まかせに言い放った・・・太宰治(著)「駈込み訴え」
- ・・・ 娶し」「もしくは音楽を作し、喪服を釈ぎて吉服に従い」「父母の喪を聞きながら匿して哀哭の礼を行わず」などの諸条である。清朝末年の新刑法は皆なこれを削除して留めなかった・・・宮崎 市定(著)「中国政治論集:王安石から毛沢東まで」
- ・・・住蓮安楽二僧の刑死を知って妙亭妙香、二人の尼僧は紀の粉河から都に馳せ上って二僧を哀哭し、春恨に堪えず、終に情に殉じて安楽寺の門前に後追心中を遂げたのは、讒者の言を・・・佐藤 春夫(著)「 戦後短篇小説選:『世界』1946-1999」
「哀哭」と「慟哭」の違いは?

「哀哭」と「慟哭」はどちらも深い悲しみを表現する言葉ですが、ニュアンスに違いがあります。
「哀哭」は、声をあげて泣き悲しむことを意味し、一般的に深い悲しみを感じて涙を流すことを指します。
「慟哭」は、悲しみのあまり、身もだえして声をあげて泣くことを意味します。
「慟」という字には「なげく」「身もだえして悲しむ」という意味があり、「哀哭」よりもさらに強い悲しみを表現します。
つまり、「哀哭」は深い悲しみを表現する言葉であり、「慟哭」はその悲しみがさらに強く、身もだえするほどの状態を指します。
参考文献
- 編 見坊豪紀・市川孝・飛田良文・山崎誠・飯間浩明・塩田雄大(2021)『三省堂国語辞典』第八版, 三省堂.
- 編 池田和臣・山本真吾・山口明穂・和田利政(2023)『旺文社国語辞典』第十二版, 旺文社.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年9月29日).
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年9月29日).