「哀情」の意味・使い方・例文！「歓楽極まりて哀情多し」とは？（類義語）

「哀情」とは

「哀情（あいじょう）」とは、「悲しいと思う心」「悲心（ひしん）」を意味する言葉です。

悲しい出来事に直面したときに感じる心の状態を表現する際に使います。

などのように使われます。

「哀」は「あわれむ」「かなしむ」という意味を持ち、「情」は「こころ」「きもち」という意味を持ちます。

「哀情」は、これらの意味を組み合わせて、悲しみや哀れみの感情を表現する言葉です。

「哀情」の類義語には、「哀感（あいかん）」「哀愁（あいしゅう）」「哀切（あいせつ）」「悲哀（ひあい）」などがあります。

「哀情」の使い方

昨日の映画、どうだった？

主人公の哀情がよく描かれていて感動的だったよ。

どんなシーンが印象的だったの？

家族を失った直後、主人公の表情がアップになったシーンかな。

「哀情」の例文

• ・・・では、不相変面白さうな話声がつゞいてゐる。彼はそれを聞いてゐる中に、自らな一味の哀情が、徐に彼をつゝんで来るのを意識した。このかすかな梅の匂につれて、冴返る心の底へ・・・三好　行雄(著)「三好行雄著作集（第3巻）」
• ・・・、フランス人検使が感極まって切腹を制止したのである。佐々木の日記には、「仏国検使哀情ヲ起シ、涕泣自ラ禁ゼズ」とある。翌日、フランス公使ロッシュは、「御門陛下ニ呈」と・・・笠原　英彦(著)「天皇親政：佐々木高行日記にみる明治政府と宮廷」
• ・・・き悲しみはまことに哀れであった。陸川老人だって、六人の息子たちに看とられながら、哀情の限りを尽したかもわからない。そもそも海波のうちよせる汀まで緑したたる樹林におお・・・大室　幹雄(著)「ふくろうと蝸牛：柳田国男の響きあう風景」
• ・・・ふうん、と云う相槌を打った彼女を可笑しく思ったけれども、弟に対する愛情の、そして哀情の表れか、とも感じて居た。　彼女は少しだけ寝たいと言った。僕は、台所を借りたいと・・・橘　基緒(著)「冗談」

「歓楽極まりて哀情多し」とは

「歓楽極まりて哀情多し（かんらくきわまりてあいじょうおおし）」は、漢の武帝が詠んだ「秋風辞」という詩に由来することわざです。

この言葉は、「喜びや楽しみの感情が極限に達すると、かえって悲しみの感情が生じること」を意味します。

このことわざは、楽しさや喜びが最高潮に達した後に、悲しみや感傷が湧いてくることを表しています。

例えば、楽しいイベントの最中やその後に、ふと虚しさや寂しさを感じることがこの表現に当たります。

人生の喜びと悲しみが表裏一体であることを教えてくれるこのことわざは、楽しい瞬間を大切にしつつ、その後に訪れる感情にも向き合うことの重要性を示しています。

参考文献