「愛憎」とは
「愛憎(あいぞう)」とは、「特定の相手に対する愛することと憎むこと」「愛情とその気持ちに反する憎しみの気持ち」を意味する言葉です。
愛と憎しみが同時に存在する複雑な感情を指します。またこの感情は、特に親密な関係において用いられることが多いです。
- 愛憎の葛藤がある
- 愛憎が心を締めつける
- 愛憎の狭間で苦しむ
- 愛憎が私を惑わす
などのように使われます。
「愛憎」の「愛」は、訓読みで「あい」「めでる」と読みます。
「憎」は、訓読みで「にくむ」と読みます。
「愛憎」は、「愛する」と「憎い」という反する意味を合わせた熟語です。つまり、「愛すること憎むこと」という両方の意味を持ちます。
「愛憎」の類義語には、「好悪(こうお)」「二律背反(にりつはいはん)」などがあります。
「愛憎」の使い方




「愛憎」の例文
- ・・・まにぶらさげている人はいないだろう。男と女のあいだには、ほかの人には計り知れない愛憎が潜んでいるものだ。安津子だって、―私が殺したんじゃないかしら―智生の不実を・・・阿刀田 高(著)「Vの悲劇」
- ・・・い物語。確実な演技ながら、もう少しマジメルに毒気が欲しい。歴史の裏にある芸術家の愛憎劇は、やはりヨーロッパものに限る。ヴェルサイユ宮殿でロケできるあたり迫力が違うし・・・石川 三千花(著)「勝手にビデオ」
- ・・・る。 三人の男女が、同じ米会話塾に通った事実があるにしても、だからといってそこに愛憎の結びつきあり、と断定するわけにはいかない。大田池花吹雪と小林力が、協力して、・・・斎藤 栄(著)「関西国際空港殺人事件」
- ・・・ァンタジー位にしか感じていなかったからだ)。スタインと、ヘミングウェイとの間の愛憎関係には、いろいろ混み入ったいきさつがあるから、それについては、いずれ章を改めて・・・金関 寿夫(著)「現代芸術のエポック・エロイク」
「愛憎相半ばする」とは
「愛憎相半ばする」とは、「あいぞうあいなかばする」と読み、愛と憎しみの感情が同じくらい存在している状態を指します。
「愛憎半ば」という形でも使われますが、「愛憎相半ばする」という使い方が一般的です。
「愛憎相半ばする」とは「愛憎」と「相半ばする」が組み合わさった言葉で、「相半ばする」は「対照的な関係にあるものが半分ずつある状態」という意味があります。
特に親密な関係において、深い愛情を持ちながらも、相手の行動や状況によって憎しみや不満が生まれることを表現しています。
このような複雑な感情は、しばしば人間関係の難しさや葛藤を象徴しています。
これが、「愛憎相半ばする」です。
「愛憎入り交じる」とは
「愛憎入り交じる」とは、愛と憎しみの感情が同時に存在し、混ざり合っている状態を指します。
「愛憎入り交じる」とは「愛憎」と「入り交じる」が組み合わさった言葉で、「入り交じる」は「要素の異なったものが一緒に含まれる」という意味があります。
この表現は、特に親しい関係や複雑な状況において、強い愛情を抱きながらも、同時に相手に対する憎しみや不満がある場合によく使われます。
人間関係の複雑さや感情の葛藤を示す言葉です。
これが、「愛憎入り交じる」です。
参考文献
- 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
- 編 山田忠雄・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2011)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 編著 北原保雄 (2010)『明鏡国語辞典』第二版, 大修館書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年9月26日).