「安危」の意味は?中国語?読み方や類義語
「安危」とは、「あんき」もしくは「あんぎ」と読み、「安全であるかそれとも危険であるか」という状況を表す意味の言葉です。
「安全か危険か分からない、どちらとも言えない不確かな状態」を指す言葉であり、その対象の命や存続に関わる重大な状況になっていることを示唆しています。
- 紛争が続く国に駐在している彼の安危が気にかかる。
- その作戦の成否は国家の安危にかかわってくる。
- 将軍は自分の座の安危を賭けて、隣国との和平を申し出た。
- SPは自身の安危の不安に駆られることはないのだろうか。
などのように使われます。
「安危」の「安」の字は「やすらか」、「危」は「あやうい」という意味で、「安危」は、「安らかか、それともあぶないのか」どちらも疑わしい不確かな状況を指している言葉です。
中国戦国時代の韓非が書いた帝王学の著書「韓非子」で、国の「安泰の道7つ」と「危険の道6つ」を説いた際に、「安」と「危」は対語として示され、「安危」という言葉になり、現代も使われています。
ですから「安危」は、中国語でも「安危」と表記され、意味も日本語と同じです。
「安危」の類義語は、「安否」「消息」「存亡の機」などがあります。
「安危」という言葉の使い方で多いのは、「国家の安危」「身の安危」「人生の安危」などであり、いずれも国家や命、自分の人生の「安全と危険に関わる」重大な状況であることを意味しています。
そしてそれは、完全に安全であるとも、完全に危険だとも言えないけれど、かなりリスキーな状況であることを示唆しているのです。
「安危」の使い方




「安危」の例文
- ・・・自己のアイデンティティを見出していた。北条氏はその著到定において、「軍法は国家の安危」を決するものであることを強調し、長宗我部氏もその掟書で、「国家のため大小事に寄
- ・・・いたすは必定…」 さしもの元就も、そこまでの反間は思いつかなかったらしい。毛利の安危に関するまで大切な村上の副将を、みずから敵に討たせようというのである。たとえ、そ
- ・・・郎大将など、支那学の素養にかけても其の道の学者なみと言われていた。 しかし、国の安危がかかって来るクリティカルな場面に、はっきりした見通しが持てず、横から下からの突
- ・・・決然たる言葉で語っています。 「懐しの町 懐しの人 今吾れすべてを捨てて 国家の安危に 赴かんとす 悠久の大義に生きんとし 今吾れここに突撃を開始す 魂魄国に帰り
「安危」と「安否」の違いは?

「安危」と「安否」の違いを見ていきましょう。
「安危」は、「安」と「危」という対語からなる熟語で、「安全かそれとも危険かどちらも疑わしい不確かな状況」を指しています。
「安否」は、「あんぴ・あんぷ」と読み、「安らかか否か」、つまり「安全かどうか、無事かどうか」を意味しています。
その対象が安全なのかどうかわからない状況で使う点で、「安危」と「安否」は類義語です。
「安否」は、何らかの事件や事故が起きた緊急事態時に「安全なところに居て無事なのか、ケガをしていないか」を確かめる際に使うことが多いですが、平時に高齢の親や長い間連絡していない知人の健康等を尋ねるケースもあります。
つまり、家族や友人知人が事故・事件などで何らかの危険な状況に陥っていると推測されるような時に、「安否を尋ねる、安否が心配になる」といった形で「安否」という言葉を使います。
いずれにしても、「安否確認」という慣用句があるように、「無事なのかどうかを早く確認したい」という意図があって使用される言葉であり、「その時々の状況」を示す言葉です。
また、もし自分が「安否」を聞かれたら自分の無事を伝え、家族や周囲に負傷者がいないかとか、家などに被害がないかを知らせます。
「安否」状況を聞いている人は無事かどうかをまず聞きたいので、なんの被害もなかった際も無事であることを伝えましょう。
「安否」の例
- ・・・仲と今井四郎兼平は、大津の打出浜で幸運にも行き合うことができた。兼平もまた義仲の安否を気づかって、北陸に逃去することを拒み、激戦の京をさして引き返そうとしていたから
- ・・・のことである。家屋が倒壊し、命からがら逃げ出した親と子が別れ別れになり、お互いの安否を気づかいながら避難所にたどりつき、会った瞬間に抱き合って、「生きていてよかった
- ・・・うであった。苛酷なルマ砂漠に生きるルマンジタの女とはいえ、男たちがおらず、しかも安否すら確かではないということの不安感は尋常ではない。 とりあえず、ミルデと周りの者
「安危」「安否」の違いまとめ
- 「安危」と「安否」は、どちらも相手が「安全なのかどうかわからない状況」で使う類義語です。
- 「安危」は、「安全かそれとも危険か」という意味で、どちらも疑わしいけれどそれが、かなりリスキーな状況であることを示唆しています。
- 「安否」は、ある人が「無事でいるかどうか」という意味で「その時々の状況」を表す言葉です
参考文献
- 編 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 監 林 四郎 編 篠崎 晃一 ・相澤 正夫・大島 資生(2021)『例解新国語辞典』第十版, 三省堂.
- 編 柴田武・山田進 (2002)『類語大辞典』講談社.
- 編 藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光 (2011)『漢字源』改訂第五版, 学研.
- 著 鎌田正・米山寅太郎(2013)『新漢語林』第二版, 大修館.
- 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年11月24日).
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年11月24日).