「圧制」とは
「圧制(あっせい)」とは、「権力や暴力によって人の言動を無理に押さえつけたり、人に強制したりすること」を意味する言葉です。
「圧制」は企業の上層部や政治家など社会的地位の高い権力者による、下の地位の者への抑圧を表現する際に使用されます。
- 女王の圧制に民衆は耐えていた。
- 彼は圧制に立ち向かった。
- 圧制的な政府に民衆が反抗する。
- 社長は社員に圧制的な態度をとる。
などのように使われます。
「圧制」の「圧」は「おさえつける」という意味を持ち、「制」は「おさめる」「したがわせる」などの意味を持っています。
そのため「圧制」は「下の地位の者への抑圧」の意味合いをもちます。
「圧制」の類義語には、「苛政(かせい)」「暴政(ぼうせい)」「悪政」などがあります。
「圧制」の使い方

僕のクラスの先生はとても圧制的な態度でみんな怖がっているんだ。

みんな耐えているんだね。どうにかできないかな。

うん、つい先日も5日連続で遅刻して、先生から注意されたんだ・・。完全な圧制だよ

そうだね。ってそう太くんが悪いような・・・
「圧制」の例文
- ・・・政となり、やがて帝政となって、ロオマ軍団の推戴するロオマ皇帝のインペラートル下の圧制に服した。それも僅かの期間であり、西ロオマ帝国はバンダル人の侵攻に潰え(四七六年・・・辻 義教(著) 「ヒト科ヒトによる人間の発見」
- ・・・だり、ケガをしたりしている人でも、「歓迎」を口にした。それほどまでにサダム時代の圧制がひどかった、ということはわかるのだが、釈然としないものも残った。 「家族が被害・・・安田 純平(著) 「囚われのイラク」
- ・・・上がり、歓声は三十秒以上収まらなかった。それをさえぎるように、ブレマー行政官は「圧制者は捕らわれの身となった」と胸を張り、拘束作戦「赤い夜明け」の成功を報告した。・・・読売新聞東京本社(著) 「読売新聞」
- ・・・タリアへの旅行という口実で、一時フランスを離れることを余儀なくされるが、自分は「圧制」への屈服を拒んだに過ぎないとして、「大臣の専制」への批判的態度を変えることはな・・・森村 敏己(著) 「習俗」
「圧制」と「圧政」の違いは?

「圧制」と「圧政(あっせい)」の違いを見ていきましょう。
「圧制」は、上述のように、「権力や暴力によって人の言動を無理に押さえつけたり、人に強制したりすること」を意味する言葉です。
政治家が一般庶民の権利などを抑圧したり、一般社会においても、会社の上層部など地位の上の者が抑圧する時に使われます。
一方、「圧政」とは、「権力や暴力などで人民を抑えつける政治」を意味します。
政治的な文脈のみで使用され、政府による抑圧的な統治や支配に対して使われ、権力や暴力などで人民を抑えつける政治をすることを「圧政を敷く」といいます。
なお「圧制政治」という言葉があり、「圧制政治」=「圧政」ですが、「圧制」の意味に中に「圧政」という意味も入っているといえます。
「圧制」と「圧政」はどちらも「あっせい」と読み、意味も似ているので、同音類義語といえます。
「圧政」の例
- ・・・空けた。そして、一転して優しい眼差しを奈々に投げかける。 「天神参りが生まれた。 圧政を強いる朝廷に対して現実的には何の抵抗もできない、弱い立場の人々。そんな自分たち・・・高田 崇史(著) 「QED」
- ・・・消えない二月、もう一人の青年がヤンを追って、同じくこの場所で焼身自殺した。ソ連の圧政に対する抗議だった。ヤン・パラフの焼身自殺以来、チェコスロバキア全国各地で連鎖す・・・春江 一也(著) 「ベルリンの秋」
- ・・・得られず、それが戦況に響くと見られている。 ドイツ軍の勝利によって、スターリンの圧政から救われると期待した人びとは、予想外のドイツ兵の残虐な振る舞いに失望し、協力を・・・逢坂 剛(著) 「遠ざかる祖国」
- ・・・縄県技師となって勧業行政にその手腕を発揮する。しかし、薩摩出身の沖縄県知事として圧政を振るう奈良原繁と次第に対立するようになり、ついに一八九八年一月、謝花は官職を辞・・・桑原 真人(著) 「日本文化を考える」
「圧制」「圧政」の違いまとめ
- 「圧制」は、「権力や暴力によって人の言動を無理に押さえつけたり、人に強制したりすること」を意味します。政治のような大きなことから、一般社会の出来事まで広い範囲での抑圧的な状況を意味する言葉です。
- 「圧政」は、「権力や暴力で抑圧する」という意味では「圧制」と同じですが、政治的な文脈で使用される言葉です。
参考文献
- 編 山田忠雄・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2020)『新明解国語辞典』第八版, 三省堂.
- 編著 北原保雄 (2010)『明鏡国語辞典』第二版, 大修館書店.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年11月1日).
- 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年11月1日)