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「意向」の意味は?読み方・類義語は?

「意向」の意味・読み方
「意向」は、「いこう」と読み、「心の向かうところ・どうしたいか、どうするつもりかという考え・思惑」のことを意味します。
「意向」は、自分がどうしたいかを伝えるときや、他の人がどうしたいかを聞きたいときや、その考え、思惑を指して使われます。
- まずは社長のご意向を確認してから、この仕事に取り掛かるべきだ。
- 現地の人たちの意向を汲み、このモニュメントは残されることになった。
- 意向にそぐわないプランを再検討してほしいという要望が届いた。
- この会議では、お客様の意向に沿う提案が求められている。
などのように使われます。
「意向」の「意」には、「心の中の思いや考え」という意味があり、「向」には、「その方へ向かう・心の目指す方向」という意味合いがあります。
ですから、「意向」は、ある物事に向かっていくときの考えや気持ちを指し、「どうするつもりかという考え、思惑」を意味する言葉です。
たとえば、「自分の意向を伝える」と使えば、「自分がその物事についてどうしたいか、考えを伝える」という意味ですし、「相手の意向を聞く」と使えば、「相手がその物事について、どうしたいかを聞く」と伝わります。
「ご意向」とは?
「意向」は第三者に対しても使いますが、ビジネスシーンなど特に、目上の方や地位の高い方に対しては、敬意を表す接頭語の「御(ご)」を付けて「ご意向」と表現されることが多くあり、「ご意向」は尊敬語の扱いになるので、自分に対しては使いません。
たとえば、自分の考えや、自分の属する企業や団体などの意思を表す場合はそのまま「弊社の意向としましては・・・」という形で使いますが、上司や取引先に対しては「御」を付けて「御(ご)意向」という敬語として表現します。
「意向」の類義語は?
「意向」の類義語には、何かをしたいという積極的な心の働きを意味する「意志」、あることが実現することを待ち望むことや、その気持ちを意味する「希望」、心の中で思いめぐらすこと、目論見(もくろみ)を意味する「心匠(しんしょう)」などがあります。
「意向」の使い方




「意向」の例文
- ・・・はみなつまらぬ人ばかりなのに) おふさは、気がすすまなかったが、母親が若衆一同の意向を神聖なもののようにしておそれるために、出るようにしている。 もっともそういうと
- ・・・殿の話では、百済は大勢の民を倭国に移したがっている、とのことですが、百済王だけの意向で、そんなことは出来ますまい、当然、倭国内で受け皿が用意されていると考えるのが常
- ・・・ランへの協力は「平和的性格」のものに限定しているとして、原発建設の協力を継続する意向である。米国からの圧力を受け、イラン側がビシェールの原子力発電所からの使用済み核・・・斎藤 元秀(著)「ロシアの外交政策」
- ・・・した危険性の少ない中山道経由の方がすぐれているとしていた。そして、そうした軍部の意向が反映されて一八八三年一二月に、中山道経由で東西両京間鉄道を建設することが決定さ・・・老川 慶喜(著)「鉄道」
「意向を汲む」とは?

「意向を汲む」とは?意味や読み方は?
「意向」を使った言い回しに、「意向を汲む」があり、「いこうをくむ」と読みます。
「意向」は、ある物事に向かっていくときの考えや気持ちを指し、「どうしたいか、どうするつもりかという考え」という意味の言葉です。
一方「汲む」は「くむ」と読み、「水を汲む」というように「液体をすくい上げる」という意味のほか、「人の心情を把握する」や「気持ちを察する」という意味があり、「意向を汲む」では「気持ちを理解する」という意味合いで使われています。
よって、「意向を汲む」は、「相手の考えを理解・推察して、それに合うように対応する・相手の気持ちをおもんぱかって判断の参考にする」という意味になります。
たとえば、「出来る限り顧客の意向を汲む必要がある」、「学校はアンケート調査を通して、保護者の意向を汲むようになっている」などのように使います。
「意向を汲む」と「意向に沿う」の違いは?
「意向」は、態度や言動などから察する場合もありますが、相手側からはっきりと示される場合もあります。
ただ明らかに相手が自身の意向を明示して、指示してくる場合には「意向を汲む」という表現は馴染まず、「意向に沿う」の方がよいでしょう。
たとえば、取引先がこちらが呈示した新プランを気に入らず、既存のプランのままで構わないという判断を明示してきた場合、「新プランを撤回することで取引先の意向に沿う」のような表現がふさわしいです。
参考文献
- 編 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 監 林 四郎 編 篠崎 晃一 ・相澤 正夫・大島 資生(2021)『例解新国語辞典』第十版, 三省堂.
- 編 柴田武・山田進 (2002)『類語大辞典』講談社.
- 編 藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光 (2011)『漢字源』改訂第五版, 学研.
- 著 鎌田正・米山寅太郎(2013)『新漢語林』第二版, 大修館.
- 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2025年1月14日).
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2025年1月14日).